[ Atom Computing’s Next-Generation System Currently in Development. Credit: Aom Computing ]
Atom Computingは、1,225領域 (35 x 35) アレイに1,180量子ビットを搭載する次世代の中性原子プロセッサを発表した。コロラド州ボルダーにあるAtomの研究所でテストされており、2024年には顧客に提供される予定。多くの点で、同社の先行する100量子ビット・プロセッサーのスケールアップであるが、いくつかの重要な違いがある。
最も重要な点は、使用する原子をストロンチウムからイッテルビウムに変更したことと、マシンが稼働時間を重視していること。この設計はモジュールで構築され、必要に応じて原子をリアルタイムで連続供給することができる。
Atomは、FPGAを用いて独自の制御電子回路を設計し、最大限の柔軟性を持たせている。前世代で発表した約40秒という優れたコヒーレンス時間はそのままに、誤り訂正アルゴリズムの実験に便利な回路途中での測定機能も搭載。実現は今後の目標だが、同社の目標は2量子ビットの忠実度を約99.5%にすることであり、最近接および次近接への量子ビット接続を提供する予定である。
中性原子を扱う他社とは異なり、同社はデジタルモードのみをサポートすることに集中しており、アナログモードはサポートしない。このマシンは1,000量子ビット以上のマシンに比べて比較的コンパクトであり、省エネ効率も高いと述べている。
現在、このマシンはQiskitとQASMをユーザー・インターフェイスとして使ってプログラムすることができるが、将来的には他のプログラミング・フレームワークにも対応していくかもしれない。同社は、VodafoneやEntropica Labsのような企業、学術機関、政府機関のユーザーと協力しており、2024年にこのマシンでの作業を開始する予定である。
この発表に関する追加情報は、Atom Computingが提供したプレスリリースを参照。
=============================
オリジナル記事:Quantum Computing Report
https://quantumcomputingreport.com/
翻訳:Hideki Hayashi