[ QV Progression at Quantinuum Showing Quantum Volume (QV) and Heavy Output Outcome Percents (h). Credit: Quantinuum ]
Quantinuumは、イオントラップ装置のQV(量子ボリューム)測定値のさらなる向上を発表した。これまでの措置は、昨年4月に発表した4096であったが、今回8192に引き上げられた。これは、IBMが指定した13量子ビットの回路で、13レベルの深さを持つQVテストに成功したことを意味する。これを実現するために重要であったのは、彼らが「Arbitrary Angle Two-Qubit Gate」と呼ぶ、新たなタイプの2量子ビットゲートを実装することであった。このゲートは、イオントラップ型量子プロセッサーで使用されているオリジナルの「Mølmer-Sørensenゲート」で用いられている固定回転の2量子ビットゲートに対して、より柔軟な実装方法を提供するものである。任意角度のゲートは、より少ないレベル、より速い時間、より高い忠実度で、特定の量子演算をより効率的に実装できる利点がある。例えば、量子フーリエ変換アルゴリズムでは、このArbitrary Angle Gateを用いることで、2量子ビットゲートの数を1/2にできることを彼らは示した。
またこれに関連して、Quantinuumは、同社のオープンソースTKETソフトウェアが、公開以来50万件ダウンロードされたことを発表した。2021年にオープンソース化を決定したことによって、ここまで大きな数字となったろう。ダウンロードした人すべてが積極的に利用しているとは思えないが、それでもすごい数字である。TKETはすでに、Arbitrary Angle Two-Qubit gateのサポートを組み込んでいる。
この新ゲートの使用例や、量子ビットリセットなど高度な機能を紹介した技術論文がarXiv に掲載されている。
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