世界的な航空宇宙企業であるボーイング社。今回、量子情報科学・工学(QISE)に取り組む学術機関や国立研究所のネットワークであるシカゴ量子取引所(CQE)との協力関係拡大が発表された。この提携は、若手科学者の支援、新しい研究プロジェクトの立ち上げ、次世代量子センサーとネットワークの開発を目的としている。2019年に始まったボーイング社とCQEの企業パートナーシップを更新するものでもある。
この共同研究にはボーイング社から350万ドル(約5.2億円)の出資が行われ、技術ワークショップ、大学院生および博士研究員への奨学金、QISE分野に挑む革新的研究者への賞が授与される。資金は、QISEの新しいアイデアを探求する若手研究者を表彰する賞であるボーイング・量子クリエーターズ賞も支援していく。同賞はボーイングの支援を受けて2022年に創設され、これまでに14人の研究者を表彰している。この賞は、QISE分野における多様性と包括性を高めることを目的としたものだ。
シカゴ地域は量子研究とイノベーションの強力なハブであり、124マイルの量子ネットワークテストベッド、国家量子イニシアチブ法の資金提供を受けた10の量子研究センターのうちの4つ、そして全米初の量子スタートアップアクセラレーターが存在する。また先週、コロラド州とともに量子技術の米国技術ハブに指定された。
この協力関係の拡大とボーイング社からの資金提供に関する発表は、CQEのプレスリリースを参照。
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オリジナル記事:Quantum Computing Report
https://quantumcomputingreport.com/
翻訳:Hideki Hayashi