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D-Wave、カンファレンス「Qubits 2023」で継続的な技術進歩と顧客牽引力を発表

D-Wave は、フロリダ州マイアミで開催中の年次 Qubits 2023 カンファレンスにおいて、Clarity 製品ロードマップの進展と、同社の量子アニーラー上で実行可能なソリューションの顧客による開発の継続的な進捗を発表している。


はじめに、Zephyr と呼ばれるアーキテクチャを用いた7,000量子ビットの Advantage2 アニーラの進捗状況について説明。このプロセッサは、従来の Advantage プロセッサが15ビットであるのに対し、20の量子ビット間接続を持つ。これにより、より優れたプログラムをマシンに組み込み、より少ない量子ビットで動作させることが可能になる。


また、Advantage2 では、製造プロセスの改良により、ノイズ特性の大幅な改善と量子ビットのコヒーレンス時間の延長を実現するという。フルサイズの Advantage2 プロセッサは、2024年か2023年後半に導入されるで、すでに約 576量子ビットの小型版プロトタイプを製作しテストを行っている。すでに、Advantage2 に搭載されるプログラムについて、現行の Advantageプロセッサと Advantage2プロトタイプの比較テストを実施しており、大半のケースでプロトタイプの方が良質な解を提供できることが判明しているという。そしてそれは、まだ設計の最適化を終えていない。D-Wave の技術資料(こちら こちら )を参照。


同社はまた、ゲート型プロセッサの開発進捗状況についても説明した。前述のように、量子アニーラは最適化問題には良いソリューションだが、量子機械学習や計算化学などを含むかもしれない他の量子アプリケーションには向かないだろうと考えている。そこで、あらゆる量子応用をカバーするために、長期的なゲートレベル・プログラムを開始した。超伝導技術に基づくフォールトトレラント・ゲートレベルマシンを開発するため 5段階の計画を立てている。


今回の会議では、新しいスケーラブルな読み出し方式を用いた 1、2量子ビットデバイスを製作し、現在ベンチマークを行っていることを発表した。さらに、論理的な量子ビット設計を開発した。しかし、それはまだ開発の初期段階であり、商用に使えるフルサイズのゲート型マシンを利用可能にするには、少なくとも 7年はかかると断わりを入れている。ただし、前述の Advantage2 と同様に、ベンチマークやテストに利用するためのゲートレベル機の小型プロトタイプを公開する可能性はあるという。すでに、同社のソフトウェア開発ツール Ocean スイートで、ゲートレベル回路の構築とそのシミュレーションを可能にするゲート型シミュレータのサポートを開始している。


ソフトウェアに関しては、同社のハイブリッドソルバーであるCQM(Constrained Quadratic Model)のいくつかの新しい機能強化について説明した。この改良には、問題をよりよく表現するための連続変数のサポート、開発者がすべての制約を満たすことができない場合、ある制約が他よりも重要であると指定できる重み付き制約、問題の基本的な性質を変えずに不要な変数や制約を減らすことで問題のサイズを縮小し、マシンでの解を容易にするプリソルブ技術などが含まれている。この CQMの改良は、昨年発表した改良点と合わせて、エンドユーザーがプログラミングし、量子アニーラ上での実行を容易にするものである。


最後に、継続的な顧客との取り組みを報告し、Mastercard、Davidson Technologies、Recruit Group、Pattison Food Group、SavantXなど複数の顧客から、アニーラを使用して取り組んでいるアプリケーションを解説。60社以上の企業が実際の量子ハイブリッド・アプリケーションに取り組んでいることを明らかにした。


D-Wave はカンファレンスのWebサイトとその後のYouTubeチャンネルにプレゼンテーションのビデオを投稿する。カンファレンスの視聴登録はこちら 、カンファレンスでの発表の一部を説明したプレスリリースはこのリンク からアクセスできる。



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原記事(Quantum Computing Report)

https://quantumcomputingreport.com/


翻訳:Hideki Hayashi

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