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eleQtron と Infineon、3世代トラップドイオン量子プロセッサの開発で提携

eleQtron は、2020年にSiegen大学の研究グループからスピンオフして設立された量子ハードウェア開発企業。彼らは、量子ビットを制御するために MAGIC (Magnetic Gradient Induced Coupling) と呼ばれる小型化された高周波技術を使用して、トラップドイオン・プロセッサを開発している。同タイプのプロセッサは、量子ビットの制御にレーザーを使用するが、MAGICアプローチは唯一のものだ。


Infineon Technologies AG は、2021年の売上高が 110億ユーロを超え、5万人以上の従業員を擁するドイツ最大の半導体メーカーである。両社は、eleQtron の MAGIC技術を利用しながら、スケーリングされた量子ビットのための3次元構造を調査するために、プロセッサのシリーズ開発(3段階)に協力していく。彼らの目標は、2027年半ばまでにアプリケーションを実行できる量子プロセッサを開発することだ。Infineon は、オーストリアのヴィラッハにウェハファブを持っており、2016年から量子研究の中心となっている存在。


以前から Infineon は、イオントラップ・プロセッサの開発に取り組んでいた。2022年7月には Oxford Ionics との共同研究も発表したが、こちらもレーザーではなくマイクロ波による量子ビット制御を実装している。また、過去にはインスブルック大学、インスブルックの新興企業である Alpine Quantum Technology (AQT) 、チューリッヒ工科大学とも共同研究を行っている。Infineon は、Post Quantum Cryptography (PQC) ソリューションの提供にも力を入れており、昨年2月には PQC機能を組み込んだ世界初の Trusted Platform Module (TPM) を発表した。


この件は、eleQtron とのパートナーシップを発表した Infineon のプレスリリースを参照。また、Infineon のトラップドイオンやその他の量子技術の研究について説明しているWebページの追加情報もこのリンク と、こちらのリンク で確認できる。



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原記事(Quantum Computing Report)

https://quantumcomputingreport.com/


翻訳:Hideki Hayashi

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