PASQuanS 2 (Programmable Atomic Large-Scale Quantum Simulation) は、最大1万個の原子をシミュレーションする量子シミュレータの開発を目標としている。これは、以前の欧州フラッグシッププログラム「PASQuanS」に続くもので、当初はより小さな量子ビット・アレイで、量子シミュレーションの概念を探求していた。量子シミュレーターは、本格的なプログラム可能な量子プロセッサほど汎用的ではないが、古典プロセッサでは解決できない特定の計算問題、特に量子化学に関する問題解決に有効である。
プロジェクトはドイツのマックス・プランク量子光学研究所が主導し、次のフェーズは3.5年間 (2023年4月~2026年9月) 続く予定。オーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、スロベニア、スペインの 25の学術・技術パートナーが参加する。PASQuanS2.1と呼ばれるこのフェーズでは、最大2,000原子のシミュレーションをサポートするために必要なハードウェアとソフトウェアを開発し、さらに技術拡張のためのロードマップ作成を目標としている。このフェーズでは、1万個の原子を搭載できるシステムを開発するために、さらに3.5年間の後続プログラム PASQuanS 2.2が計画されている。
本プログラムの詳細については、新しいWebサイトを参照のこと。
また本プログラムのパートナー25社とその国の一覧を以下に記す。
Austria
• Alpine Quantum Technologies GmbH
• Österreichische Akademie der Wissenschaften(オーストリア科学アカデミー)
• Parity Quantum Computing GmbH
• インスブルック大学
France
• Atos BULL
• Azur Light Systems
• Centre National de la Recherche Scientifique(国立科学研究センター)
• Electricité de France
• Institut d´Optique Théorique et Appliquée(理論・応用光学研究所)
• Exail
• PASQAL
Germany
• Eberhard-Karls-Universität Tübingen
• EURICE – European Research and Project Office GmbH
• Forschungszentrum Jülich GmbH
• Freie Universität Berlin
• Ludwig-Maximilians-Universität München
• Max-Planck-Institut für Quantenoptik(マックスプランク量子光学研究所)
• Menlo Systems GmbH
• Qruise GmbH
• ルプレヒト・カールス大学ハイデルベルク校
• TOPTICA Photonics AG
Italy
• Consiglio Nazionale delle Ricerche
• パドヴァ大学
Slovenia
• Univerza v Ljubljani
Spain
• Fundacio Institut de Ciencies Fotoniques
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原記事(Quantum Computing Report)
https://quantumcomputingreport.com/
翻訳:Hideki Hayashi