[ Envisioned Extensions of an Operating Quantum Network for the AQNET-SD Project. Credit: Fermilab ]
米国エネルギー省の科学局先端科学計算研究プログラムは、フェルミ国立加速器研究所(Fermilab)に対し、信頼性が高く、スケーラブルで安全な量子ネットワークに向けた研究を継続するため、Advanced Quantum Networks for Scientific Discovery(AQNET-SD)プロジェクトに対し、3年間で900万ドルの資金提供を決めた。
AQNET-SDは、カリフォルニア工科大学、ジェット推進研究所、ノースウェスタン大学、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校と共同で、2つの量子ネットワークを構築していく。
1つ目は、シカゴ都市圏にあるフェルミ研究所、アルゴンヌ国立研究所、ノースウェスタン大学を結ぶイリノイ・エクスプレス量子ネットワーク(IEQNET)を拡張。約150マイル南にあるイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の追加ノードとリンクさせるものだ。2つ目のネットワークは、ジェット推進研究所とカリフォルニア州パサデナにあるカリフォルニア工科大学(約5マイル)を、光ファイバーケーブルとフリースペース伝送の両方を使って接続する。今回の受賞に関するフェルミ研のプレスリリースはこちらのリンクから。
別のプログラムでは、アルゴンヌ国立研究所は、InterQnetプログラムに対して米国エネルギー省科学局から3年間で900万ドルを受け取るものがある。このプログラムでは、アルゴンヌ・キャンパス内の5つのビルを、複数の異なる量子プラットフォームと初期段階の量子リピータでリンクする。この中継器は、長距離量子ネットワークを構築するために開発する必要がある重要な技術である。
このプロジェクトの主な特徴は、ネットワーク化される量子プラットフォームがすべて異なるモダリティを使用することで、相互運用が可能であることを示すことを目的としている。このプロジェクトを発表したアルゴンヌの投稿はこちらのリンクから。
これらのプロジェクトはいずれも、米国の国家量子ネットワークに必要な技術をさらに発展させるという米国の目標を達成するためのものである。
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オリジナル記事:Quantum Computing Report
https://quantumcomputingreport.com/
翻訳:Hideki Hayashi