IonQは第3四半期の決算を発表し、売上高は610万ドル(約9,2億円)となった。これは第2四半期の売上高550万ドルから11%増、2022年第3四半期の売上高276万ドルから111%増となる。しかし、営業費用も引き続き増加し、第2四半期の3,860万ドルに対し、第3四半期は4,830万ドル(約73億円)となった。調整後EBITDA損失は、第2四半期の1,940万ドルに対し、今四半期は2,240万ドル(約34億円)であった。現金、現金同等物および投資は4億8,510万ドル(約735億円)で終了した。
同社は、第3四半期に2,630万ドル(約40億円)の売上計上予約を発表したが、これは主に空軍研究所(AFRL)から量子ネットワーキングの研究およびアプリケーション開発用として、バリウムベースのイオントラップ・システム2台を受注したことによるようだ。この業績により、同社は2023年通期の業績予想を従来の4,900万~5,600万ドルから6,000万~6,300万ドル(約95億円)に引き上げた。第4四半期の売上高は530万~610万ドル、2023年通年の売上高は2,120万~2,200万ドル(約33億円)と予想され、前回予想の1890万~1930万ドルから増加する。
特に注目すべきは、同社が5億ドルまでの有価証券の提供を可能にするS-3 Shelf Registration Statementを提出していることだ。同社は現在、事業運営に必要となる十分な現金を保有しているが、戦略的成長への資金調達や将来起こりうるM&Aの機会を追求するためのオプションとして、このような方法を取ったと述べている。
同社の決算発表では、ニュースで伝えてきた商業的および技術的なハイライトのいくつかが繰り返し発表された。バリウムベースのプラットフォームの進展、AFRLからの契約獲得、次期IonQ Forte EnterpriseおよびIonQ Forte Tempoプロセッサーの発表などである。また、同社は2023年の北米急成長企業リスト「Deloitte Technology Fast500™」に選出されたことも発表している。
IonQの第3四半期決算に関する追加情報は、こちらのプレスリリース、SEC 10-Q報告書、また投資家向け最新プレゼンテーションもこちらのリンクから参照できる。
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オリジナル記事:Quantum Computing Report
https://quantumcomputingreport.com/
翻訳:Hideki Hayashi