IonQは、第1四半期の業績を報告し、前四半期および 2022年第1四半期と比較して、収益が良好に伸びていることを示した。2023年第1四半期の売上高は、2022年第4四半期の380万ドル、2022年第1四半期の 200万ドル(約2.7億円)に対して、430万ドル(約5.8億円)を達成。同社は当初、2023年第1四半期の売上高を360万ドルから400万ドルと見積もっていたが、四半期終了後に発生するだろう追加売上を、前倒しで計上することになった。当四半期の調整後 EBITDA 損失は、2022年第4四半期の 1,330万ドル(約18億円)に対して 1,590万ドル(21.5億円)だった。同四半期の予約額は410万ドルで、通年の予想は3,800万ドルから4,200万ドルだった。そして、2023年通期の売上高の予想を、従来の1,840万ドルから1,880万ドルの間から、1,880万ドル(約25.5億円)から 1,920万ドル(約26億円)の間に引き上げている。
同社は、2022年末の5億3780万ドルに対し、5億2550万ドルの現金、現金同等物、長期投資で当四半期を終了した。営業キャッシュフローが黒字化した後まで十分な手元資金があり、これ以上の資金調達は必要ないと考えている。IonQ の キャッシュポジションは、量子に特化した企業の中で最も優れており、量子市場が期待通りに成長しない場合でも、持続的な力を発揮することができるだろう。
商用面では、Technology Innovation Institute のアラブ首長国連邦量子研究センター、Fidelity Center for Applied Technology、経営・技術コンサルタント会社 Bearing Pointなど、新たな顧客とのコラボレーションを発表した。
同社は、今期後半にパブリッククラウド上のAria1 に加わる 2番目の Ariaクラスプロセッサ(Aria2)を構築中であり、顧客向けの使用量を増やす予定であると発表している。技術的な進歩を続け、次世代プロセッサー Forte の運用プロトタイプを完成させたと発表。Forte の主な革新点は、レーザーの照準にソフトウェア制御の音響光学偏向器を採用することで、より正確な制御を可能にするもの。まだ顧客には提供されていないが、エンジニアによる内部テストでは、#AQ(Algorithmic Qubit)測定値が29を達成し、前任のAriaクラスマシンの25という最高値を上回っている。#AQは、IonQ が実際の量子アルゴリズムの性能をよりよく示すと考え、採用した性能指標である。
[ Forte と Ariaの #AQ性能指標を比較 Credit: IonQ ]
IonQ の第一四半期の決算発表に関する追加情報は、プレスリリース 、SEC 四半期報告書レポート 、2023年5月の投資家向け最新情報プレゼンテーション で確認できる。
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原記事(Quantum Computing Report)
https://quantumcomputingreport.com/
翻訳:Hideki Hayashi