OQC(Oxford Quantum Circuits)は、2017年に英国を拠点として設立された超伝導量子プロセッサメーカーだ。1億ドルのシリーズB投資は、SBI Investmentが主導し、これまでの投資家であるOxford Science Enterprises (OSE)、東京大学エッジ・キャピタル・パートナーズ(UTEC)、Lansdowne Partners、そしてOTIFが追加参加し、マネージャーのOxford Investment Consultants (OIC)が代行した。
これは英国の量子関連企業にとって、これまで達成されたシリーズB投資の中で最大のものである。同社は2022年にシリーズAで4,100万ポンド(約77億円)を調達しており、この資金調達額も量子関連企業としては英国最大のシリーズAであった。
同社はまた、現在32量子ビットをサポートしている Toshikoプロセッサー(アップグレード可能な設計)がプライベート・ベータ版として利用可能になったことも発表した。商用データセンターへの導入を想定しており、従来のHPCリソースと統合してハイブリッド環境を実現する。
デジタル・ファブリック・インターコネクトを採用し、顧客に安全なハイブリッド・コンピューティング提供する。この設置は、データを外部のクラウドプロバイダーに送りたくないという、セキュリティを重視する顧客にとって魅力的だ。このプロセッサは、QIR(量子中間表現)、OpenPulse、OpenQASMの各プログラミング言語でプログラムできる。
※参考
toshiko:日本人初の女性物理学者である湯浅 年子にちなんで命名された。
=============================
オリジナル記事:Quantum Computing Report (by GQI)
https://quantumcomputingreport.com/
翻訳:Hideki Hayashi
Comments