量子インフラソフトを開発する Q-CTRL は、2,740万ドル(約35.6億円)の B-1資金を調達し、これまでの総額を5,200万ドル(約67.5億円)とした。量子ソフトウェア企業としては最大の資金調達であると伝えている。今回の投資家には、Salesforce Ventures、Alumni Ventures、ICM Allectus、Mindrock Capital、元General Dynamics副社長のBill Lightfoot、ラグビーのグローバルレジェンドであるJohn Eales、継続投資家のAirbus Ventures, Data Collective, Horizons, Main Sequence Ventures、Ridgeline Partnersなどが参加している。Salesforce Venturesは、Salesforceの CEOである Mark Benioff氏が支援する個人ベンチャー企業で、SandboxAQにも投資しているが、量子的な投資は今回が初めてとなる。
この資金は、研究開発および営業・マーケティングへの投資に充てられる予定。同社は、オーストラリアのシドニーに本社を置き、カリフォルニア州ロサンゼルスとドイツのベルリンにオフィスを構えている。3つの拠点で、研究、エンジニアリング、製品開発を行っている。現在、従業員は80名で、来年には120名まで拡大するという。
同社は、量子プロセッサー用の量子ビット制御ソフトウェアでスタートし、研究者とエンドユーザーの双方が使用できるよう、他にも複数の製品を提供。最近では、量子センシングや量子教育の分野でも製品を追加している。2022年に1,500万ドル(約19.5億円)以上を計上し、製品ポートフォリオ全体で8,000人のユーザーを抱えていることを示している。8,000人のユーザーの大多数は、低価格商品である Q-CTRL の Black Opal 教育製品を使っている可能性が高い。
本資金調達に関する詳細は、プレスリリース を参照。また、Q-CTRLのCEO兼創設者である Michael Biercuk氏が参加するポッドキャストを Quantum Computing Report に掲載している。
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原記事(Quantum Computing Report)
https://quantumcomputingreport.com/
翻訳:Hideki Hayashi
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