Rigettiの第3四半期の売上高は、310万ドル(約4.7億円:前年同期330万ドル、2022年第3四半期は280万ドル)であった。営業費用は、第2四半期が1,890万ドル、2022年第3四半期が3,330万ドルであったのに対し、第3四半期は1,910万ドル(約29億円)。前年同期比で減少した主な要因は、株式報酬費用の削減と今年初めに実施した人員削減である。営業損失は、第2四半期が1,620万ドル、2022年第2四半期が3,130万ドルであったのに対し、第3四半期は1,680万ドル(約25.5億円)であった。現金、現金同等物、売却可能投資の残高は、第2四半期末の1億500万ドルに対し、第3四半期末は1億1,000万ドルとなった。この増加は、B. Riley Financialとの普通株式購入契約の一環として1,270万ドルの株式を売却したことによるものである。
同社にとって重要な進展は、第2四半期にフェルミ国立加速器研究所の超伝導量子材料・システムセンター(SQMS)に販売を行ったのに続き、第3四半期にも米国の国立研究所に9量子ビットのQPUを販売したことである。これらのQPUは研究用に使用され、同社がこれらのデバイスの追加販売を行う際の新たな収益源となるだろう。さらに、同社は空軍研究所(AFRL)からファウンドリーサービスを提供するための5年間のIDIQ(Indefinite Delivery Indefinite Quantity)契約を獲得した。また、第3四半期には、組み合わせ最適化問題を解くための量子アルゴリズムを研究するDARPA IMPAQT契約を獲得し、10月にはHSBC、エジンバラ大学、国立量子コンピューティングセンターとともに、反マネーロンダリングアルゴリズムに量子をどのように利用できるかを研究するInnovate UK助成金を獲得している。
同社の技術ロードマップは、以前発表した計画通りに進んでいる。現在は、9量子ビット、24量子ビット、84量子ビットのAnkaa-2設計を社内で行っており、量子ビットの品質を向上させる技術に注力している。9量子ビットで98%以上の2qubitゲート忠実度、24量子ビットで98%、84qubit Ankaa-2では97%を達成している。同社の目標は、年内にAnkaa-2で98%、2024年には99%の忠実度を達成することである。新しいデバイスは新しいトポロジーを採用し、設計にチューナブル・カプラーを利用している。
Rigettiの第3四半期財務報告に関する追加情報については、同社のサイトから入手可能なプレスリリース、第3四半期投資家向け電話会議の録画、投資家向けプレゼンテーションを参照。
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オリジナル記事:Quantum Computing Report
https://quantumcomputingreport.com/
翻訳:Hideki Hayashi
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