Rigetti Computingが第3四半期財務報告書を発表したとき、同社は9量子ビットQPUチップを開発し、1つをフェルミ国立加速器研究所の超伝導量子材料およびシステム センター (SQMS) に販売し、もう1つを匿名の米国人に販売したお伝えした。同社はこの製品に「Novela」という名前を付け、他の顧客にも提供すると発表した。
この製品は、チューナブルカプラーを使用した3×3マトリックスに配置された9個の量子ビットを持つチップと、単一量子ビットの動作をテストするためのチューナブルカプラーを使用しない5個の量子ビットを持つ2番目のチップで構成されたもの。このチップはAnkaa™クラスのアーキテクチャを基にしており、カリフォルニア州フリーモントにある同社のFab-1施設で製造されている。
9量子ビット部分の仕様は以下の通り:
Qubits: 9
Tunable Couplers: 12
T1 Lifetime: 16.8 microseconds
T2 Lifetime: 13 microseconds
Single Qubit Median Gate Fidelity: 99.9%
Two Qubit Median Gate Fidelity: 98.5%
この製品には、チップそのもの以外に、チップを保持するパック、インターポーザー、信号配線用のPCB、冷却用のタワー、パックを隔離するシールド、信号条件装置を備えたペイロードブラケットが含まれている。
この製品は、量子コンピューティングの研究者向けに開発されたもので、希釈用冷凍機、制御用電子機器、ソフトウェアなどをすでに所有しているか、あるいは提供済である。研究者は、量子エラー訂正アルゴリズム、制御アルゴリズム、測定・校正技術、その他のソフトウェアの実験に使用できる。デバイスの定価は90万ドル(約1.3億円)からで、配送は4~6週間。その他のコンポーネントをすべて購入する必要があると仮定すると、Noveraを使用した完全な量子コンピュータは、200万ドル(約2.9億円)以下で組み立てることができるはずだ。
=============================
オリジナル記事:Quantum Computing Report (by GQI)
翻訳:Hideki Hayashi