Rigetti Computingの2023年第一四半期の売上は 220万ドル(約3億円)だった。2022年第1四半期は210万ドル、2022年第4四半期は610万ドル。純損失は 2,340万ドルで、2022年の同四半期は1,760万ドル、2022年の第四四半期は 2,290万ドル(約31億円)だった。現金、現金同等物、売却可能有価証券の保有額は 1億2,200万ドル(約166億円)で、2022年末の 1億4,280万ドル(約194億円)から減少。同社は、研究開発の継続と、事業目的を達成するためには、2024年末または2025年初頭に追加の資金が必要になると予想されることを示した。
同社は、現在社内でテストしている 84 量子ビットの Ankaa-1 プロセッサのプロトタイプを開発し現在テスト中であることを示した。このデバイスは、正方格子と同調可能なカプラを使用した新アーキテクチャを採用しており、より優れたゲート速度と高いゲート忠実度を提供することが期待されている。主要なエンジニアリング目標は、Ankaa-1の2量子ビットゲート忠実度を現在の94–95%%から98%以上に改善すること。2023年半ばには、Ankaa-1 を ベータ版として顧客に提供する予定である。
彼らは Ankaa の改良版にも取り組んでおり、これを Ankaa-2と呼んでいる。84量子ビットのままだが、そのシステムのゲート忠実度をさらに99%に改善することを目指す。Ankaa-2 は第4四半期までに外部顧客に提供される予定になっている。ゲート忠実度99%の目標を達成したら、Ankaa-2チップを4つ並べ、Ankaa-2 と呼ぶ 336量子ビットのデバイスを作成するという。
同社はまた、パートナーと量子マシンのさまざまなアプリケーションの研究を続けている。彼らは Moody’s と Imperial College Londonと共同で行った研究を発表し、量子コンピューターを使って不況を予測する方法を発表した。また、DARPA の資金提供を受けて、ノイズがあっても最適化問題を解決するための新しい技術に関する研究も行っている。今後 2~3年以内の同社の中期目標は、Narrow Quantum Advantage (nQA) を示すいくつかのアプリケーションを製品化することである。これには、古典/量子ハイブリッド環境で動作する99%以上のゲート忠実度を持つ100量子ビット以上のプロセッサが必要になる。
Rigettiのニュースリリースと第1四半期の収益報告は、彼らのWebサイト 上で。経営陣との第1四半期の業績発表はこちらのリンク から。また、2023年5月付の投資家向けプレゼンテーションはこのリンク から見ることができる。
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原記事(Quantum Computing Report)
https://quantumcomputingreport.com/
翻訳:Hideki Hayashi