By Carolyn Mathas
両社は、Strangeworks プラットフォームに Rigetti の2つの新しい量子機械学習(QML)アプリケーションを搭載することを発表したばかり。量子カーネル・メソッドと「quanvolutional(量子畳み込み)」ニューラルネットワークは、特に Rigetti の量子コンピュータに最適化されており、分類と回帰のアプリケーション開発をターゲットとしています。
Strangeworks の創設者およびCEOである William Hurley(ウィリアム・ハーリー)氏は、「我々は、Rigettiの概念実証が、画像分類やそれ以外の分野で何を意味するのか、その成果にとても期待しています。量子力学を応用したアプリケーションは、より正確で効率的な作業を実現し、多くの産業で速度と信頼性を向上させ、時間およびコストを節約していることが早くから証明されています」と述べています。
システムへのアクセスは、Rigetti の量子プロセッシングユニットとプラットフォームの緊密な統合によって可能になります。この統合により、Rigettiシステムのパフォーマンスが向上し、プログラム全体のレイテンシが低下し、ネイティブの Quil プログラミング言語がサポートされようになりました。Rigetti は、QMLの応用により、病気の特定、気候や気象のモデル化、製造不良の特定、金融詐欺の撲滅など、実世界の研究が進展すると考えています。
Rigetti の Quanvolutional Neural Network メソッドは、古典的なニューラルネットワークが使用する既存のデータセットに量子ベースの特徴を追加することで、画像とビデオの分析を強化する手法です。これにより、後続の機械学習処理が簡素化され、従来のモデルをトレーニングするために必要なデータとパラメータが少なくなります。例えば、医療用画像には、機械学習が実行する大規模なデータセットと複雑な確率分布が含まれています。Rigetti のメソッドは、MedMNIST データセットコレクションから乳がんと肺炎を診断するための一般的なAIモデルのパフォーマンスを向上。これまで、純粋な古典ニューラルネットワークの学習には、80万以上のパラメータが必要でしたが、量子拡張ニューラルネットワークでは 20万と 75%少ないパラメータで学習が可能となります。
もう一つの量子カーネル・メソッドは、データセット内の点間の類似性を評価するもので、分類や回帰モデルに有用なもの。これは、量子プロセッシング・ユニットが提供する指数関数的に大きな空間で類似性を評価し、その出力を異常検出に利用することができます。このメソッドは、Strangeworks プラットフォームの全ユーザーに提供され、quanvolutional neural network は、一部の顧客とパートナーに提供される予定です。
Rigetti はまた、Strangeworks Backstage Pass プログラムに参加し、承認されたユーザーそれぞれに最大1万ドルのスポンサークレジットを提供します。受け入れ基準としては、ユースケースと期待値を決定するための面接プロセスが含まれ、量子機械学習を業務に活用することに関心のある企業チームが優先されます。Backstage Pass プログラムで Rigetti へのアクセスを申請するには、こちらのリンクページ にアクセスしてください。
「量子技術を機械学習に応用するのは、明らかに早い段階です」と、whurley氏は言います。続けて、「しかし始まりにすぎないとしても、Rigetti から見えてきたのは、量子を使って機械学習プロセスを改善できるという素晴らしい指標です。課題としては、既存量子デバイスのノイズや、アプローチできる問題の大きさなどがあります。これらの課題がいつ克服されるかはわかりませんが、その道をリードできることを非常に楽しみにしています」と。
Strangeworks プラットフォームは、新しい量子計算技術を大きな問題に適用する際の障壁を取り除き、アクセス、統合、管理を可能な限り容易にするために設計されています。Strangeworks は、SXSW 2023において、有料サービスとしてプラットフォームの一般提供を発表する予定です。それまでは、Backstage Passプログラムを通じて早期アクセスが可能です。
詳細については、StrangeworksのWebサイトに掲載されているプレスリリース を参照してください。