新しいプロジェクトが始動した。量子コンピュータのスケーリングに不可欠である量子ビットの状態を測定するイメージング・システムを開発することで、量子コンピュータを発展させる。
量子コンピュータは量子ビットの操作が基本であるが、現在のところアプリケーションを満足させる力はない。この壁を超えるためには、量子ビットの量と質を向上させるとともに、量子ビットを操作し、結果を解釈するために必要な光学システムや電子システムを充実が必要である。
RiverlaneのCEO兼創設者であるSteve Brierley氏は、「TeraQuop」と呼ばれる量子コンピューターがベンチマークとする約1兆回の信頼できる量子演算を実行できる必要がある、と改めて述べた。現在の量子コンピューターは、エラーなしで数百回の操作しか実行できない。プロジェクトの狙いは、TeraQuopの目標に近づけることであり、今回、InfleqtionやNüvü Camērasなどの大手企業との提携に至った。
「リュードベリ量子コンピュータ向けのスケーラブルな量子ビット配列検出」と題されたこのプロジェクトでは、量子コンピューティング企業のInfleqtionとRiverlaneが、イメージングシステムのスペシャリストであるNüvü Camērasと提携した。目標は当然ながら、量子ビットの状態読み出しを大幅に強化することである。
3社のパートナーシップは、量子コンピュータのサプライチェーンにおけるこの分野での共同開発を促進するだろう。Nüvü Camērasが次世代の量子コンピューター用カメラを開発し、Riverlaneが量子制御システムに高度な読み出し機能を搭載し、Infleqtionが必要なハードウェア制御の検証を担っていく。
このプロジェクトでは、Infleqtionの中性原子量子ビットに焦点を当てる。原子の状態を正確に知ることは、量子コンピューターが演算を実行するために不可欠なのだ。この試みは、量子コンピューターの長期的な発展に向けた重要な一歩となるだろう。
詳細については、RiverlaneのWebサイトに掲載されているプレスリリースを参照。
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オリジナル記事：Quantum Computing Report （by GQI）
翻訳：Hideki Hayashi