先週、ドイツ航空宇宙センター (DLR) がイオントラップ型量子コンピュータに関連する 5つの異なるプロジェクトに2億850万ユーロ (約300億円) の契約を結んだと報じた。Universal Quantumはプレスリリースを発表し、プログラムの詳細とともに、彼らが総額の約32%にあたる6,700万ユーロ(約98億円)を担うことを示した。その活動は、2つのサブプロジェクトで構成されている。1つ目はシングルチップの量子コンピュータを開発することであり、2つ目はこれらのチップを複数接続して、100量子ビットのマルチチップ量子コンピュータを構築することである。プロジェクトは4年間にわたって行われる予定。
Universal Quantumの技術は他のものとは少し異なっている。量子ビットの制御をレーザーではなく、マイクロ波信号を使っている点だ。彼らは電子制御回路の一部をトラップと同じチップに集積している。また、多くの研究者は、複数のチップを接続してより大きな量子プロセッサを作るために、光ファイバーを介したフォトニック接続を使用している。しかし、同社は、UQ Connect と呼ぶ独自の技術を開発し、複数のモジュールを精密に並べ、隣接するモジュール間にイオンのシャトルパスを作る方法を用いて、高い忠実度と接続率を実現している。もう一つの利点は、このシステムが70ケルビンで動作するように設計されていることである。まだまだ低温ではあるが、ミリケルビンの温度で作動し10万ドルもする高価な希釈冷凍機を必要とするより、はるかに簡単で安価に実現できるのである。このようなアプローチにより、競合他社よりもはるかに速いペースでプロセッサの規模を拡大することができるかもしれない。
DLR による Universal Quantum award の詳細については、Medium の記事 を参照のこと。
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