[English follows Japanese]
来たる量子時代のサイバーセキュリティを専門領域とするアメリカのQuSecureが、AFWERX（米空軍省のイノベーション部門）から中小企業革新研究(SBIR)契約を獲得した。SBIRは、アメリカ合衆国連邦政府がアメリカ中小企業庁とともに実施しているプログラムで、中小企業の研究開発の支援を目的としている。
今回のSBIR契約は米空軍省の課題に対処するためのもの。現代の戦争で必要とされる戦闘能力を強化できるQuSecureのソリューションが評価された。米空軍はQuSecureのソフトウエア「QuProtect™」を使用する。
QuProtect™は、業界初のエンドツーエンドのソフトウェアベースのプラットフォーム。データが通信・使用・保存される際の情報ライフサイクル全体を耐量子計算機暗号(Post Quantum Cryptography, PQC)で保護するように設計されている。衛星通信、ネットワーク、IoT通信など、今日の重要なユースケースの多くにエンドツーエンドの量子耐性を提供することができるPQCソリューション。オンプレミスまたはクラウドベースのオーケストレーションによってホストすることができ、既存システムの中断を最小限に抑えながら、ネットワーク上のすべてのデバイスにPQCを導入することができるため、現在および将来の古典/量子の攻撃から保護することができる。
米国政府は、量子安全な未来に向けて、Endless Frontiers Act（エンドレスフロンティア法）やQuantum Computing Cybersecurity Preparedness Act（量子コンピューティング・サイバーセキュリティ準備法）などにより、量子時代のセキュリティ脅威に対する緊急性を示している。Endless Frontiers Act（エンドレスフロンティア法）では、5年間で1000億ドルのアメリカ連邦政府資金を量子コンピューティング、人工知能、半導体などの新技術の研究に充てるとしている。これは、米国の研究開発を強化し、世界中の新興技術の重要なサプライチェーンを強化することで、中国に対する米国の競争力を強化する狙いがある。
なお、QuSecureは、2022年にアメリカ連邦政府からSBIRフェーズ３契約を獲得し、2023年には米陸軍からSBIRフェーズ２契約を獲得している。今回はそれらに続くものとなる。
今回発表した同社のプレスリリースはこちら
[補足]
QuSecureのQuProtect™
AFRL
アメリカ空軍研究所（Air Force Research Laboratory, AFRL）は、米空軍省の主要な科学研究開発センター。 AFRL は、世界中の 9 つの技術分野とその他 40 の事業に 12,500 名を超える従業員を擁し、基礎研究から高度な研究および技術開発に至るまで、科学技術の多様なポートフォリオを提供している。www.afresearchlab.com
AFWERX
アメリカ合衆国空軍省（Department of the Air Force, DAF） のイノベーション部門および空軍研究所内の部門として、商業や軍事目的の航空機技術開発を支援する機関。AFWERX は、6 つの拠点と拠点で約 325 人の軍人、民間人、請負業者の要員を雇用し、年間 14 億ドルの予算を実行している。 2019年以来、AFWERXは米国の防衛産業基盤を強化し、運用能力へのより迅速な技術移行を推進するために、26億ドル以上相当の4,697件の契約を締結してきた。www.afwerx.com
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QuSecure, Inc., a leader in post-quantum cryptography (PQC), has been awarded a Small Business Innovation Research (SBIR) contract by AFWERX to address challenges in the Department of the Air Force. The Air Force will use QuSecure’s QuProtect™, the industry’s first end-to-end PQC software-based solution designed to protect encrypted communications and data with quantum resilience.
This contract follows similar SBIR contract awards QuSecure has won from the U.S. Army in 2023 (Phase II SBIR) and the U.S. Government in 2022 (Phase III SBIR). The award recognizes QuSecure’s ability to enhance the combat fighting capabilities necessitated by modern warfare.
The U.S. Government has shown urgency to move toward a quantum-safe future, with recent actions such as the Endless Frontiers Act and the Quantum Computing Cybersecurity Preparedness Act.
A press release from the company announcing the award is available here.
Source:
Quantum Computing Report
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